予防理学療法のための失敗しないアンケートの作り方(日本予防理学療法学会研究法セミナー)

セミナー開催日 2025年12月16日
受講生満足度
4.63(49)

日本予防理学療法学会様よりご依頼を頂き、社会調査法のひとつである「アンケート」の作り方についてオンライン講義をさせていただきました。

なぜ保健体育科教育学・スポーツデータサイエンスの分野の私が社会調査法について講義できるのかというと、学生時代から今に至るまで、延べ数万人の子どもの健康や生活習慣・運動習慣等に関する質問紙調査を継続しており、アンケートの作成に関するノウハウを持っているからです。

アンケートは手軽な手法ですが、実は奥が深いのです。しっかりと事前に設計しないと分析に失敗することもよくあります。また、近年はWebフォームを使うケースが非常に増えていますが、果たして「紙」の調査票はオワコンなのでしょうか。

そんな疑問にお答えするために、本セミナーでは次の内容をレクチャーさせていただきました。

セミナーの内容

  • そもそもアンケートとは?
  • 紙 vs Web、どっちがいい?
  • 調査票の作成から調査、分析、結果報告までやり方
    • 調査票の設計
    • 前処理
    • 分析
    • 成果報告
  • 質疑応答

とくに、紙調査とWeb調査における両者の利点・欠点や、調査票の設計の仕方に関しては、受講生の皆さんの関心も高く、好評をいただきました。このページでは、その内容を少しだけ紹介します。

紙 vs Web、どっちがいい?

これだけICTが発展したデジタル社会においても、アナログの良さは不変です。詳細は割愛しますが、Webの最大の利点は作成・配布・データ化の速さとコストです。一方、肝心なアンケートへの回答(回収)については紙に軍配が上がります。ですから、一概にどちらが良いとは言えず、調査の目的や規模、かけられるコストや時間、調査対象者の属性などを総合的に判断する必要があります。

紙調査とWeb調査の比較表

作業工程

比較項目

調査用紙

Webフォーム

作成

作成時間

ややかかる

 

書式の自由度

高いとは言えない

 

マルチメディア利用

限定的

 

条件分岐

確実ではない

配布

配布のコスト

高い

 

配布数

増やしにくい

 

サンプリング

偏りやすい

 

匿名性

やや低い

回答(回収)

回収率

低くなりやすい

 

二重回答

可能性あり

 

回答者の気持ち

読み取れない

データ化

データ入力

手間がかかる

 

識別困難な文字

ある

調査票の作成から調査、分析、結果報告までやり方

本セミナーの趣旨は、「失敗しないアンケートの作り方」です。やみくもに質問項目を増やしたり(とりあえず聞いておこう)や、取った後の分析のことを考えずに調査票を完成させてしまってはいけません。

そこで、作成→調査→分析→成果報告というワークフローにおいて気を付けるべき15のコツを紹介させていただきました。


受講生の皆様からは、多くの質問がやご意見が寄せられ、充実した時間となりました。次回(第2回)は、応用編として、アンケートの分析方法をレクチャーいたします。

次回(応用編)

日時:2026年1月13日(火)19:00~20:30
内容:予防理学療法のためのアンケートデータの分析方法

詳しくは日本予防理学療法学会ホームページをご覧ください。
https://www.jspt.or.jp/prevention/news/reserch.html